スペシャルインタビュー

9月21日(金)、戸田市文化会館で『SaGa THE STAGE~七英雄の帰還~』が開幕した。
記念すべき佐藤アツヒロ初演出作品となった、この舞台。とにかくキャストたちが身体をフルに使い、よく戦う!立ち回りの連続に手に汗握り、愉快なキャラクターたちの登場に笑い、壮大な世界観に涙した。「ロマンシング サ・ガ2」の世界が立体になって飛び出し、生の人間のドラマになる…。ドットで描かれていたキャラクターたちは、実はこんな容姿、性格だったのか!と新鮮に驚いた。そんな熱演が心を掴んだのか、観客の盛り上がりも素晴らしかった。観客が声で参加するシーンでは、キャストも驚くほどの大声で一発クリア。観る者が登場人物と一緒に、時空を超えて旅をする…、まさに演劇の奇跡を目の当たりにした思いだ。
大昔、巨大アリのタームに滅ぼされそうになっていた人類を、ノエルたち七英雄が救う。しかし、強くなるために七英雄は魔物を取り込み、半分化け物と化していた。その強さに脅威を感じた大神官により、七英雄は異世界へと追放される。その七英雄を倒すために、魔導士・オアイーブは彼らより強くなる術「伝承法」をある者に授ける…。


1幕では七英雄の活躍と栄光、転落が描かれる。殺陣にしろ、ただ戦っているだけではなく、殺陣の合間に台詞があり、キャラクターのその時の思いや人間関係がこぼれ出るのが面白い。また、魔物になるシーンでは墨絵のような迫力たっぷりの映像で魅せた。時折ゲームの映像が映し出されるのも楽しく、ゲームファンにはたまらない演出だろう。
2幕では、伝承法が代々受け継がれ、さながら冒険物語。キャラクター大集合といった趣で、コメディもたっぷりだ。中でも海のシーンはミュージカル仕立ての歌と踊りで楽しませる。七英雄の最後の決戦は熱く切なく、ノエルとオアイーブのロマンスがより物語を際立たせた。
ゲームを知らなくてもこんなに楽しめるのだから、ゲームファンにしたらたまらないはずだ。この作品を観ることでゲームをより奥深くも感じるようになるだろう。カーテンコールでは観客が総立ちに。しばらく拍手が鳴り止まなかった。

【 囲み会見コメント 】
《 佐藤アツヒロ 演出・主演 ノエル役 》
演出は正直大変でした。ゲームファンの皆さまに納得していただくため、ゲームの世界観に忠実に再現することを心がけ、演劇の要素をたっぷり加えました。演出は全体を見ながら進行するので、伝える言葉を見つけるのには苦労しました。役者は僕を除いて総勢30名。その一人ひとりに向き合ってきました。見所は、立ち回りで物語が展開するところ。また大勢のキャラクターが登場するのも楽しいでしょう。1カ月以上、朝から晩まで稽古し、みんなで作り上げた思いをお客様に届けたいです。

《 中村誠治郎 殺陣指導 ワグナス役 》
殺陣が初めてのキャストもいましたが、皆、見違えるほど上手くなり、自信を持ってお客様の前で披露できると確信してします。最後まで集中して挑みたいです。

《 平山佳延 振付 スービエ役 》
アツヒロさんは優しい兄貴でした。このカンパニーだからこそできる芝居をお届けしたい。気合い入っています!

《 山田菜々 ロックブーケ役 》
立ち回りは今回初挑戦。自分でも戸惑うぐらいできなかったのですが、中村誠治郎さんに教えていただいて、上手くなったでしょうか?また久しぶりの歌もあり、しっかりと歌い上げたいです。アツヒロさんからのお声がけが心強かったです。家族も見にきてくれると思います。

《 川田 祐 ボクオーン役 》
歴史ある作品、ファンの皆さんに自信を持って見せられるように頑張ります。たくさん暴れ回るので、注目してください。

《 岩永洋昭 ダンターグ役 》
カンパニー一同、怪我なく駆け抜けたいですね。大所帯なので、みんなで力を合わせて、いい作品にしたいです。

《 細貝 圭 クジンシー役 》
1カ月以上かけて、みんなで稽古した成果をお客様にお見せできるよう、全力で頑張ります。